Look&Check NO.194
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 前号で平成29年度決算についてご説明しました。現状のところ当健保組合は黒字を維持しておりますが、全国的にみると、健保組合制度全体が近年非常に厳しい財政状況に追い込まれています。 健保組合の全国組織である「健康保険組合連合会(健保連)」が先ごろ発表したところによれば、平成30年度においては全健保組合の6割以上が赤字予算を組まざるを得ない状況となっているのです。健保組合制度がピンチを迎えています! 日本の医療保険制度を大きく分けると、①事業所に雇われている方が加入する被用者保険(健保組合もこの一つ)、②市区町村単位で運営されている地域保険、③65歳以上の方が対象の高齢者医療、の3つに区分されます。 そのなかでも健保組合は、本来はとても大きなメリットをもっているのです。*各組合に合った保健事業(健診など)を独自に実施できます。 健保組合は、一つの大企業もしくは企業グループが母体になる場合と、同業者等が集まって創設する場合があります。私たちの三菱健保組合は前者です。それぞれの組合によって、被保険者のいる地域や業界は異なりますので、必要な事業は少しずつ異なります。役立つ事業を独自に選択して行えるのが、健保組合のもつ大きな長所です。*独自の付加給付があります。 健保組合には、法律で最低限の給付内容が定められています。それに加えて独自の「付加給付」があります。*保険料率を組合ごとに設定できます。 組合ごとにその時どきの財政状況に合わせ、みなさまから納めていただく保険料率を独自に決めることができます(上限は定められています)。財政状態が改善すれば、保険料を低く抑えることも可能なのです。 以上のように、実情に合ったきめ細やかな運営を行うことができるのが、健保組合のメリットです。 国の制度として、全国の健保組合は高齢者医療の財源サポートのために非常に厳しい負担(拠出)を強いられています。これにより財政が窮迫して十分な業務を行えなくなり、やむなく解散してしまう健保組合も出てきています。このままでは、日本の宝ともいえる「国民皆保険制度」が崩壊するかもしれません。 国民皆保険制度とは、すべての国民が原則的に何らかの公的医療保険に加入していることです。これは世界的にも珍しい優れた制度で、特長としては、保険証1枚で「誰でも」「どこでも」「いつでも」必要な保険医療を受けられることが挙げられます。健保組合の「健康度」を可視化する 「健康スコアリングレポート」制度が とどまることを知らない少子・高齢化を背景に、日常的な健康づくりの重要性がますます高まっています。人々がより楽しく元気に長寿社会を生きられるように、政府も「健康寿命(健康上、大きな問題なく生活できる年数)の延伸」を重要課題として取り組むようになっています。それを受けて健保組合も、健診結果や受診情報データを活用して効果的な健康づくり事業の実施を図る「データヘルス計画」を展開してきたのは、ご存じのとおりです。 健保組合がみなさんの健康づくりに効果的にかかわってゆくため、会社と健保組合が一体となって対策を進める「コラボヘルス」が欠かせません。この連携を強化するために、「健康スコアリングレポート」の作成が始まっています。 このレポートは、各健保組合の健康状態や医療費内容、健康づくりへの取り組み状況などを、平均的な値と比較して活用しやすくまとめることを目的としています。 実際には厚生労働省・経済産業省・日本健康会議が連携KENPOTOPNEWS◎国民皆保険制度と健保組合◎健保組合のメリットは▶「攻めの健康管理」をより進めるために▶健保組合単位の「健康状況」を わかりやすく整理2

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